スペインでのランチの頼み方 実践編 海外旅行/海外赴任/留学/駐在
さあ、ランチを食べに行こう
お昼時になると、レストランやバルの店先には、黒板にチョークで書かれたその日の
定食メニューが出されます。
日本の場合、「サバの味噌煮定食」とか
「生姜焼き定食」とか、
メイン料理+ご飯とみそ汁など、
という構成が普通ですが、
スペインの場合、
先ほど書いた通り、
料理2品があり、それぞれ自分で選べます。
黒板には”Primer Plato
(プリメール・プラト)”(1品目)、
”Segundo Plato
(セグンド・プラト)
”(2品目)と
書いてあり、それぞれいくつかの料理が
書かれていますので、
それぞれ好みの料理を選んで
コースを組み立てます。
前菜は何にする?
だいたい1品目は前菜というか、
軽めの料理です。
サラダ(Ensaladaエンサラーダ)、や
スープ(Sopaソパ、ポタージュタイプならCremaクレマ)、
あるいはスペインではよく食べられる
豆料理(Legumbraレグンブラ)などです。
「〇〇のサラダ」「〇〇のスープ」などと書かれいますが、
食材名はグーグル翻訳などで
調べてみてください(笑)。
あと、面白い点として、
(その他米料理)は、
スペインではメインではなく前菜の括りです。
(前菜 お米のサラダ
ちらし寿司っぽいさっぱり味!)
米=主食ではなく、米=野菜という
感覚なんですね。
また、スパゲッティなどのパスタ類
も1品目です。
日本でパスタとサラダ、スープなどで
パスタランチを食べていると、
パスタともう1品?と
驚いてしまいますね。
(前菜 赤ピーマンに野菜を
つめてクリームをかけたもの)
今日のメインは何にする?
2品目はメインディッシュで、
お肉かお魚です。
ステーキ、豚肉や鶏肉のソテー、
魚のグリルなどが一般的です。
だいたい山盛りのフライドポテトが添えられています。
牛や豚に関しては、
「サーロイン
(Solomilloソロミーリョ)」、
「ロース(Lomoロモ)」など、
部位まで書かれていることが
多いですね。
(メイン 牛肉のカツレツ 意外とペロリ!)
で、先ほど書いた通り、
その日のメニューの内容は店先に
出ているので、
美味しそうなものがあったら入りましょう。
あまり気に入ったものがなくても、
他にもお店はたくさんあるのでご心配なく。
納得いくまでその日のランチを探しましょう。
お店に入るとスタッフの人が案内してくれ、
改めてメニューや黒板を持ってくれます。
ただ、入店前にもうメニューの
当たりをつけていたら、
そのまま注文して構いません。
よし!注文するぞ!
“Un Menú del día, por favor
(ウン・メヌー・デル・ディア、ポル・ファボール)”と
伝え、そのまま”Para primer, 〇〇, y para segundo, 〇〇, por favor
(パラ・プリメール、〇〇、
イ、パラ・セグンド、〇〇、
ポル・ファボール)”と
注文すれば完璧です(〇〇は料理名)。
料理名をうまく伝えられるかな、
と心配になるかもしれませんが、ご安心を!
例えばその日の1品目にスープが
1種類しかなければ「ソパ」、
2品目も食材の名前(チキンとかサーモンとか)
だけ伝えれば全く問題ありません。
お店の人も完璧に理解してくれるはずです。
飲み物もセットに入ってる♪
さあ、料理の注文もばっちり!
と安心したところで、
お店の人から”¿Para beber?
(パラ・ベベール)”と
聞かれます。
飲み物はどうしますか?と聞いているのです。
飲み物はセットに含まれているので、
好きなものを注文しましょう。
コーラなどのソフトドリンク、
ミネラルウォーターだけではなく、
ビールやワインも選べるんです!
日本ではランチでお酒を飲むのは
考えにくいですが、
スペインではビジネスマンっぽい人も
普通にワインを飲んでいます
(昔に比べると少し減りましたが、
でも変な目で見られることは
絶対にありません)。
日本と違って飲食店でお冷が出てこないので、
お水を頼んでもいいのですが、
お酒を飲める人であれば、
どうせならスペインワインを味わいたい
ものですね!
(昼からワインを飲むと
ヨーロッパ気分も倍増!)
私がスペインに初めて来た20年近く前は、
定食でワインを頼むと、
1人であってもボトル1本を
豪快に出してくれましたが
(当然味より安さというクオリティ)、
最近はグラスワインというお店が
多くなりました。
注文が済むと、まずお店の人が飲み物と
パンを持ってきてくれます。
パンもセットに含まれていますのでご安心を。
かごに入ってパンが出てきますが、
周りのテーブルを少し見てみてください。
スペインの人は、食べかけのパンを
テーブルの上に置いています
(当然きれいなテーブルクロスは
敷いてありますが)。
これ、日本人には最初すごく抵抗があると
思いますが、
スペインではマナー違反でも何でもないので、
同じようにしてみましょう
(どうしてもいやなら、パンかごの中に戻すか、料理の皿に置けばOK)。
あとはお店の人が、1皿目、2皿目と
サーブしてくれます。
ただ、これはスペインでは
一般的に言えますが、
料理のボリュームがかなり多いです。
1皿目に米料理やパスタを頼んだ場合、
下手をするとそれだけで結構
お腹いっぱいになってしまい、
メインが食べられなくなることも…。
そういう時は遠慮せず、1皿目を少し残して
2品目に備えた方が賢明です
(こちらでは料理を残すことが悪いことという認識はありません)。
あるいは1皿目をサラダなどの軽いものにしてもいいですね。
基本的なマナーは日本と同じで、
料理を食べ終わったらナイフとフォークを
揃えておけば、お店の人が下げてくれます。
また、サラダなどは、お店の人が塩とお酢、
オリーブオイルなどを
持ってきてくれますので、
自分で好みの味付けにします。
さあ、デザート!
さてメインも食べてお腹いっぱいになり、
お店の人がお皿を下げる時に
”¿Postre o café?
(ポストレ・オ・カフェ)”
「デザートかコーヒーはどうしますか?」と
聞いてきます。
しつこいですが、
これもセットに含まれています。
お腹に少し余裕がある、
あるいはデザートは別腹、という人は
ぜひデザートを頼みましょう。
メニューには書いてありませんが、
デザートも複数用意されていますので、
”¿Qué tienes para postre?”
(ケ・ティエネス・パラ・ポストレ)
「デザートは何がありますか?」と
聞いてみましょう。
(あたたかいリンゴのパイに
アイスクリーム添え)
だいたいどこにでもあるのが
”Flan(フラン)” (自家製のプリン)、
”Helado(エラード)”(アイスクリーム)、
”Natilla(ナティーリャ)”
(カスタードで作ったムースのようなデザート)などなど。
あとはヨーグルト(こちらは市販のものが多い)や、自家製のタルトなどを置いている
お店もあります。
尋ねてみて、あまり気に入ったものがなければ
デザートはやめて
コーヒーにしても構いません。
また、デザートの後コーヒーを飲みたければ、
(別料金になりますが)もちろん頼めます。
さて、これがスペインのランチの
大まかな流れですが、
だいたいお値段はいくらくらいでしょうか?
もちろんお店にもよりますし、
街の規模にもよります。
私が今住んでいるマドリードでは、
だいたい12~13ユーロが標準的な
相場でしょうか。
今でも下町っぽいバルでは10ユーロ以下で
ランチを出しているところもありますが、
そういうお店ははっきり言って味は
期待できません。
では12-13ユーロ以上出せば必ず
美味しいランチを
食べられるかというと、
これも残念ながらそうでもありません。
観光客の多い地区などでは、
値段は15ユーロかそれ以上なのに、
料理は本当に取ってつけたような、
がっかりするレベルの店も多いです。
また、私が住んでいる近所でも、
工夫を凝らした料理を出してくれる
レストランのランチと、
バルが片手間で出している
ランチが同じ値段だったりもします。
written by Ch@n-sho
(世界中を酒飲みたい!! だけで巡るフェミニンな大酒呑み。
最近はオーダースーツに凝っている)